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ガラス接着可能な熱可塑性樹脂とは?

ガラスと接着できる熱可塑性樹脂は、電子部品、太陽電池パネル、医療、自動車、建材分野などで注目されています。溶剤型接着剤に比べ揮発物(アウトガス/VOC)が少ないといった利点だけでなく、生産効率や環境対応の面でも大きなメリットがあります。

ガラス接着可能な熱可塑性樹脂

酸変性樹脂

酸変性樹脂は、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂に酸性官能基を導入した材料です。ガラス表面との相互作用を高めることで、接着剤を使用せずにガラス接着が可能となります。

特長

• 比較的低コスト

• 樹脂改質の実績が豊富

• 一定条件下でガラス接着が可能

EMMA

EMMA(エチレン‐メタクリル酸共重合体)は極性基を有する共重合樹脂で、ガラス接着が可能です。

特長

• ガラスへの初期接着性が高い

• 柔軟性と透明性を両立しやすい

シラン変性樹脂(「Linklon™」)

シラン変性樹脂は、ガラスと化学結合可能なシラン基を樹脂中に組み込んだ材料です。

三菱ケミカルの「Linklon™(リンクロン™)」は、このシラン変性技術を高度に制御した材料です。

特長

• ガラス表面と強固な化学結合を形成

• 常温から高温高湿環境まで安定した接着性

樹脂+シランカップリング剤

既存樹脂にシランカップリング剤を添加する方法も広く用いられています。

特長

• 既存材料を活用できる

• 材料選択の自由度が高い

常温と耐湿熱環境下での接着性

酸変性樹脂やEMMAは、常温環境では良好な接着性を示しますが、高温高湿環境下では接着力が低下しやすいという共通の課題があります。

各種接着方法と利点

熱溶着には以下のような利点があります。

• 大面積接合が可能

   → 建材、筐体部品などに適用しやすい

• 装置構成が比較的シンプル

   → 導入コストを抑えやすい

レーザー溶着とは

レーザー溶着とは、レーザー光を用いて接合界面のみを局所的に加熱・溶融し、樹脂同士、または樹脂とガラスを接合する方法です。
非接触で高精度な接合が可能なため、精密部品や電子部品用途で注目されています。
レーザー溶着では、以下の原理が用いられます。

  1. レーザー光が透過材(ガラスや透明樹脂)を通過
  2. 接合界面の樹脂がレーザーを吸収して発熱
  3. 局所的に樹脂が溶融し、界面で一体化
  4. 冷却により高精度な接合部を形成
    必要に応じて、レーザー吸収剤を配合した樹脂を用いることで、安定した溶着が可能となります。

レーザー溶着の利点

レーザー溶着の主な利点は以下のとおりです。

• 非接触・高精度接合

→ 微細部品や複雑形状にも対応

• 熱影響範囲が小さい

→ 電子部品や精密部品に適する

• 外観品質が高い

→ 溶着痕が目立ちにくい

Linklon™のご紹介

 Linklon™は、ポリオレフィン樹脂にシラン基を導入した材料で、耐湿熱環境下でもガラスとの高い接着強度を維持することが可能です。

 

多様なラインアップ

 Linklon™は、用途や設計要件に応じて最適な性能を選択できる、幅広いラインアップを特長としています。

ベースとなるポリオレフィン樹脂は、顧客要望に応じて選定が可能で、

柔軟性、耐久性、加工性など、製品設計上の要求に合わせた材料設計に対応します。

また、Linklon™は硬度65A〜55Dまでの広い硬度帯をカバーしており、

軟質部材から比較的剛性を求められる用途まで、幅広いアプリケーションに対応可能です。

さらに、シラン変性技術を活かすことで、

ガラスとの接着強度を用途に応じて調整できる点もLinklon™の大きな特長です。

過度な接着力を避けたい設計や、長期信頼性を重視する用途など、

使用環境や要求性能に合わせた最適なバランス設計が可能です。

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